居場所をください。
「そうだ、長曽我部さん。
私のCDって余ってる?」
「1枚でよければ今あるけど。」
「ちょーだい。」
私がそういうと長曽我部さんは鞄を漁った。
「はい。」
「サイン入りじゃん。
もしかして今日の生放送のプレゼント企画のやつ?
え、もしかして応募少なすぎて?」
「いや、俺が多く渡してた。
それに気づかず美鈴が全部にサインしたから
1枚余ってるってわけ。」
「ふーん。あげちゃえばいいのに。」
「俺もそう思ったけど
まぁいいやと思って。」
「まぁどっちでもいいけどさ。
ってことで貴也どーぞ。」
「さんきゅ。」
貴也は少し微笑んで受け取った。
「なに、貴也のかよ。」
「うん。」
「隼也とのキスシーンつきだけど。」
……………そうじゃん!
「やっぱ返して。」
「は?もう俺のだろ。」
「えー…。」
何が嬉しくて貴也にキスシーンを見られなきゃいけないの…。
「この男は隼也?」
ジャケ写を指差して言った。
「うん、そうだよ。」
「俺の力作。」
長曽我部さんが笑顔で言った。