居場所をください。



「貴也は美鈴のどこに惚れたわけ?」


「俺はー…やっぱ俳優の松野貴也として

俺を見ないところですかね。


一人の男として見てくれるんで。


それにすげー楽なんです。

言いたいことも言えて、ちょっとした言い合いも楽しくて

俺にそういう態度を示したのは美鈴だけなんです。」


「なるほどな。」


「仕事もきっちりこなしますしね。」


「そうだな。

それは俺も思うわ。」


「そういうとこ長曽我部さんと似てますよね。」


「え、そうか?」


「仕事大好きなところが。」


「あんま嬉しくねーな。」


「長曽我部さんも彼女作らないんですか?」


「俺はもういいわ。」


「でも子供いないと跡取り困るじゃないですか。」


「……………確かに。」


「俺、死ぬまでここにいるんですから

長曽我部さんの代で潰さないでくださいね。」


「はいはい。」


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