居場所をください。



「佐藤さん、ありがとうございました。

私は打ち合わせにいくのでこれで。」


美鈴は佐藤さんに頭を下げると

一人でエレベーターに乗っていった。


「……………お前ら両思いなんだろ?」


「聞いたわけ?」


「朝な。

甘い雰囲気出させねーようにって長曽我部さんに言われたけど

反対にすげー冷めてんじゃん。

なに、ケンカ?」


「知らねーよ。」


「今でよければ話聞くけど。」


「……………別に大したことじゃねーよ。

ただー…」


俺はさっきの出来事を佐藤さんに話した。


「はは、結局嫉妬かよ、お互い。

ガキだな。」


「うるせーよ。

かといって好きとかも言えねーし。」


「別に好きだって言わなくても

方法はいくらでもあんだろ。

少しは考えろよ。


女はな、好きなやつの元カノは敵なんだ。

そいつの方が魅力的みたいな言い方してんなよ。」


「知らねーよ、そんなの。」


「お前も少しは優しくなれ。

隼也にとられても知らねーぞ。」


それはむりだけど……………


「それができたら苦労しねーな。」


「じゃあ大人しくフラれとけ。」


「むり。」



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