居場所をください。




「あ、おかえりなさ……………

美鈴…。」


「貴也……。」


なんでいるのさ。

佐藤さんちじゃなかったの?

仕事は?


「……………仕事終わり?」


私が固まっていると貴也が話しかけてきた。


「うん…。」


私は返事をしつつ冷蔵庫から飲み物をだし

部屋へ逃げようとした。



「ちょっと待って。」


そんな私を貴也が引き留めた。


「……………なに?」


「……………ごめんな。

俺別に沙耶香みたいな女が好きなわけじゃないから。

女らしくなくても好きな女は関係ないから。」


少し照れながらそういう貴也の表情は

きっと私しか見たことがないだろうと思うと

たったそれだけのことなのに私は幸せだった。


「だからもう怒んなよ。」


「……………うん。

私もごめんね。隼也見習ってなんていって。

貴也はそのままでいいのにね。」


私がそういうと

貴也は優しく微笑んだ。


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