居場所をください。



結局貴也におされて

本当にファミレスへきた私たち。


「めっちゃ久々。」


じゃっかん浮かれ気味の貴也さんですが

確かにどうみてもあの可愛い系俳優の松野貴也には見えない。


ただの可愛い系ギャル男だ。


「それにしてもお前も別人だな。」


私はと言うと長曽我部さんが新しく用意した

黒髪ウィッグをかぶり、めがねをかけて

マスクをしてきた。


「地味でしょ。」


「俺と合ってないだろ、絶対。」


「ほんとだよ。

どうして私たちは仲良くなったのか

もし私なら気になっちゃうよ、これ。」


「でもメイクはばっちりだから

それはそれでありなのかも。」


「……………ほんと?」


「いちいち確かめんな。

どれにすんだよ。」


……………照れなくてもいいのに、全く。



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