居場所をください。



それから注文をし、やっとお昼だ。


「やっぱりたまにはいいね、外食も。」


「いつも食堂だもんな。」


「あそこはあそこで空いてていいけどね。」


「安いしな。」


……………なんか私たちの会話が高校生に聞こえない。


「春休み明けたら学校行けるかな~。」


「行きてーの?」


「たまに勉強したくなる。

これでも元進学校の生徒でしたから。」


「そういや一高だもんな。

それにいつもプリントやってるしな。」


「いつもって。貴也来てないじゃん。」


「まぁそうだけど。

隼也きてんの?」


「さぁ?でも前は時間合えば

一緒に行ってたかな。」


「へー、一緒にな。」


「あ、隼也で思い出した。

このあと時間ある?」


「あるけど…。」


「隼也の出てる映画、券もらったの。

見に行かない?」


「いつもらったわけ?」


「んーと、昨日。

たまたま会って。」


「ふーん。」


「……………行ってくれるの?」


「あぁ。」


「よかった。」


「そんな見たかったわけ?」


「ん?まぁ。

券無駄にしたら悪いしさ。

それにせっかく長曽我部さんが許してくれたし

このまま帰りたくないじゃん。」


今日のがしたら次いつ一緒に出掛けられるかわかんないし。


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