居場所をください。



「もしかして佐藤さんって

栗山さんとさ……」


車に乗ってから佐藤さんに聞いた。


「………内緒でよろしく。」


「えぇ!じゃあやっぱり!」


「そ。付き合ってるよ。」


「いつから!?」


「貴也の前に咲のマネしてたから。

でも俺と咲ができてるのが長曽我部さんにバレて

外されたって感じだね。」


「え、長曽我部さんは知ってるの?

タレントとマネージャーが付き合ってたらダメなの?」


「俺がどうしても贔屓しちゃうから。咲だけね。

長曽我部さんはすごいよ。

美鈴ちゃんが妹でも贔屓もせず誰にでも平等で。」


「……………そっかぁ…。」


「しかも咲は恋愛禁止だから。」


「アイドルだもんね。」


「つーことで内緒で。

長曽我部さんにもね。」


「…………そっかぁ。

いつかは付き合えるようになるのかな。」


「さーな。

咲もまだ18歳だしまだまだだろうな。」


「……………辛いね。」


「ま、しかたないね。

それに美鈴ちゃんほどじゃないし。」


「私?」


「美鈴ちゃんはずっと社長の子供って

公にできないでしょ。

咲は今のグループ卒業すれば自由だし

それまでの我慢って思えるけど

社長の立場からしたら美鈴ちゃんはずっと公表できない。

隠し子は隠し子だからね。」


「……………まぁ。」


「ま、俺は今だけだし。」


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