居場所をください。
「なんだ、貴也も一緒か。」
車に乗り込んだ私たちに
永田さんが言った。
「隼也のせい。」
「美鈴は貴也と仲良くねーの?」
「誰がこんなやつと。」
「こっちのセリフだわ。」
「ねぇ、永田さん。
今日何時に終わる?」
「遅くても3時半くらい。」
……………まじか。
「どっか行くのか?」
「あー、友達と…」
「貴也の握手会行くんだって~。」
「え、貴也の?」
「ちょ、隼也勝手に言わないでよ。」
「美鈴って貴也のファンなの?」
「そんなわけないでしょ。
付き合い。」
「ふーん。
あ、そうだこれ。長曽我部さんから。
合鍵だってさー。」
「あぁ、ありがと。」