居場所をください。
俺らはすぐ車に乗り込み
マンションへ戻った。
「明日は二人とも8時に迎え来るから。」
「一緒?」
「試写会からだからな、仕事が。」
「あ、そっか。」
忘れてたのかよ。
「あ!そういえば夏音が
貴也にお礼言ってたよー!」
「お礼?」
「試写会のチケット!」
「あぁ、あんなんでよければ。
じゃあ明日来るんだ?」
「うん。すっごい興奮して
瑠樹くん!一緒にいこうね!
って張り切りすぎてて高橋少し引いてた。」
「へー。高橋ってやつ彼氏だろ?」
「うん。
まぁ夏音は前から高橋より貴也だからね。」
それどうなんだよ。
彼氏少しかわいそうだな、それ。
「じゃあ俺と美鈴が付き合ったこと
なんかいってなかったわけ?」
「すごい羨ましいって視線を送られた。」
「うけるな。」
「いや、顔は全然ウケてませんけど。」
「気にすんな。」
本気でウケてたらそれはそれでどうなんだよ。