居場所をください。
リハを終えた俺たちはまた控え室へ戻る。
「貴也!」
後ろから声がかかり、俺は振り返る。
「おう。」
美鈴がさっきと同様、俺に駆け寄ってくる。
「部屋、行っていい?」
「俺はいいよ。ひまだし。」
俺らは一緒に俺の待合室へと入った。
「上映まであと一時間あるね。」
「だな。
こんなはやく来る意味あったのか。」
「だよね。」
結局俺らはいつも通り
写メをとって美鈴がSNSに載せる。
俺はブログ用に
そんな美鈴の姿を隠し撮りする。
もうこれがお馴染みだ。
そして開場前に俺らは先に席につく。
俺らは前の方の真ん中。美鈴のとなり。
報道陣はサイドで、真ん中通路より後ろが一般人だ。
「一緒に映画は2回目だね。」
「え?あぁ、そうだな。」
そういや前隼也の映画見に行ったな。
「このあと一緒にお昼行けるかな?」
「行けるんじゃね?佐藤さんか長曽我部さんつきで。
俺このあと撮影だし。」
「私も仕事~。」
「ま、時間が合うなら一緒に飯いこう。」
「そうだね。
あとで長曽我部さんに聞いてみる。」