居場所をください。
「なんだ、美鈴かよ。」
え?
私は顔をあげた。
「……………貴也。」
「なにしてんだよ。」
「歌詞を考え中。
ってか隼也は?」
「撮影押してるだってさ。」
なんだ、普通にしゃべれるじゃん。
「つーか写真集見たわけ?」
「見た見た。別人だね。」
「笑ってんじゃねーよ。」
「すごいねー、演技力。
あのキャラ疲れない?」
「会社の方針なんだから仕方ねーだろ。」
「だよね。
私も貴也みたいになるのかと思うとゾッとする。」
「へー、お前もキャラ設定されるんだな。」
「まーね。
ま、仕事だから仕方ないけど。」
「何曲書いてんの?」
「とりあえず2曲だけど
来年の秋まで発売スケジュール決まってるから
一応テーマは決めてるかな。」
「へー、結構決まってんだな。
お前の歌、そんないいわけ?」
「普通。」
「普通ではねーだろ。」