居場所をください。



「本音はきっと居場所がほしいだけ。

私もそうだったけどね。

施設ってずっといることはできないから。

ここにいていいよ、って安心できる場所を

みんな探してるの。


だけど素直になれなくて

藍子は結局遊んでばっかり。


……………愛翔くんはなんで藍子と仲良くなったの?」


「1年くらい前かな。

ナンパされてるのを助けたんだよ。

すげー迷惑そうで。

俺まだあんま売れてなかったしな。


まー軽い気持ちで仲良くなったんだけど

最近急に付き合ってとか言い出したんだよ。

いきなりな。

で、ずっと断ってたらあれ。」


「……………そっか。

なんでそんなことするか私にはわかんないけど

本気なのかな。」


「本気なら愛翔が困るようなことしねーよ。」


突然貴也が言った。


「少なくとも俺はそんなことしない。」


「……………そっか。そうだね。

貴也は事務所の許可なく私に告白しなかったもんね。」


「好きならそれが当然じゃねーの。

そいつは結局自分の欲を満たしたいだけなんだよ。

愛翔も本気で相手すんなよ。

そんなことで仕事なくしたら本当くだらねーし。」


「おう。さんきゅ。」


藍子か…。


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