居場所をください。



それから長曽我部さんから電話がきて

佐藤さんも一緒に来た、ということで

私たちは3人で下へ降りた。


「美鈴、ライブ頑張れよ。」


「ありがと。

貴也も撮影頑張ってね。」


「さんきゅ。

じゃ、またな。」


「うん!」


私は貴也たちと別れて長曽我部さんの車に乗った。


「水野愛翔と一緒だったんだ?」


「うん。というか貴也のところ来ただけだけどね。」


「今お騒がせじゃん。」


「まーね。

でも付き合ってるわけではないみたいだよ。」


私は愛翔くんから聞いたこと

朔也から聞いたことなどを話した。


「あー、美鈴が施設育ちだって

暴露した子?」


「そうそう。」


「あの子ほんとに懲りないね。

水野愛翔がうちの事務所なら

俺キレてるわ。」


「愛翔くんの事務所はどんなとこ?」


「小さな事務所。

まだできたばっかだよ。

今は愛翔でなんとかもってんじゃね?

あいつが出てったら潰れそう。」


「だから余計厳しいのかぁ…。」


「恋愛禁止ねぇ…。

アイドルならわかるけど

それ以外でそれやるか?って感じだけどな

俺的には。


売れてるやつなら余計にそんなこと

しなくていいのにな。」


「売れてる?」


「これからもっと売れるよ、あいつは。

少なくとも隼也よりは上に行くと思う。

あいつの演技力はすげーよ。

うちのやつならもっと上行けるのにな。」


ふーん…。

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