居場所をください。
絶望って、こういうことを言うのかな。
俺、どうしたらいいんだよ…。
「貴也!」
「おじさん…誠…。」
「……………その様子だといいことは言われなかったようだな。」
「…母さんのとこいってくるわ。
悪いけど今日は帰って。」
「大丈夫か?」
「ごめん。」
今は誰とも、なんにも話したくない。
……………ここか。
俺は母さんの病室のドアを開けた。
「……………母さん…。」
「貴也……ごめんね。
心配かけたね。」
「……………いつから自覚あったんだよ。」
「年明けくらい。
食欲がなくなったんだよね。」
「なんで言わねーんだよ…。」
「歳のせいかと思ってたんだ。
最近は痛くて痛くて。
まさかガンだったなんてね。」
「治療、しねーんだって?」
「……………してもね、助からないから。
副作用に苦しんでも助からないなら
痛みを緩和してもらって残り少ない人生
楽しんだ方がいいでしょ?」
「でも…」
「貴也、母さんの最後のお願いだから。
勝手に芸能界入れたり、
好き勝手やってきたけどこれが最後だから。
ごめんね、最後の最後まで。」
最後とか…言ってんなよ…。