居場所をください。
美鈴は次打ち合わせらしくて
俺らは会社へ戻った。
「あれ、長曽我部さん打ち合わせでないの?
いつも必ずいるのに。」
「あぁ、ちょっと社長と話あってな。
担当のやつには俺から話しといたから
美鈴は聞くだけだよ。」
「ふーん、了解です。」
美鈴は会議室に入っていった。
「貴也はどうする?
社長んとこいくか?」
「行きます。
俺のことで、俺が決めたことなんで。」
「わかった。
じゃあ一緒にいこう。」
俺は長曽我部さんとエレベーターで
社長室を目指した。
コンコン…
「長曽我部です。
失礼します。」
長曽我部さんは社長の返事を待たずにドアを開けた。
「どうした?
ひかると貴也が一緒に来るなんて珍しいな。」
俺は一歩前に出た。
「お話があります。」
「話?」
「実は、母が末期のガンだったことがわかりました。」
「末期ガン?それで、あとどのくらい生きられるんだ?」
「治療はしない方向でに2年は生きられないだろう
と医師は言っていました。
それで、社長にはお願いがあります。」
「なんだ?」