居場所をください。
俺は一晩考えたことを社長にすべて話した。
「…なるほどな。
でも今の仕事はどうする。
他のは降板できても、今の撮影はそうはいかないだろ。」
「今のドラマは続けます。
撮影もあと2ヶ月なので。」
「…わかった。
損害は大きいけど仕方ないか。」
「今は美鈴がいます。
大丈夫です。」
美鈴がこの事務所を支えていける。
あいつは絶対でかくなる。
「貴也はどうするんだ?美鈴のこと。」
「……………まだ、考えています。」
「そうか。
で、いつ発表するんだ?」
「できれば、仕事が片付いたあと。
全て片付いたあとにお願いします。」
「俺もその方がいいと思います。
じゃないとマスコミが貴也を追いかけます。
貴也のお母さんは絶対反対します。」
「そうだな。
じゃあそれまではここにいる3人と
佐藤の秘密にしよう。
絶対バレないようにしろよ。
とくに美鈴には。」
「大丈夫です。
俺の演技は私情を挟みません。
ばっちり演じてみせます。」
「そうだな。貴也なら大丈夫か。
ひかると佐藤も、お前らなら大丈夫か。
一番心配なのは俺か。」
「社長と会うのは俺くらいです。
他のやつと会うときはいつも俺がいます。
大丈夫ですよ。」
「あぁ、そうだな。
あと2ヶ月か。」
「精一杯仕事をしてきます。」
「あぁ、頼んだ。」