居場所をください。
俺は社長に許可をもらって
長曽我部さんと社長室を出た。
「なぁ、貴也。
朝の番組見たか?」
「え?いや、見てないです。」
「美鈴のMV、すげー話題になってる。
貴也が他の女とキスしてるから。」
「長曽我部さんがさせたんですよ。」
「絶対話題になると思ってな。
思惑通りで楽しいわ。
貴也と美鈴のラブシーンより
ああいう方が話題になる。」
「美鈴にキレられますよ。」
「もうキレられた。」
「やっぱり。」
「でもこれであいつはまた伸びる。
きっとこれからどんどん伸びる。
貴也が悔しがるくらいにな。」
「俺は部門が違いますから。」
「どうかな。
うちのトップを走ってきた貴也だからな。」
……………それを言われるとなにも言えねーけど…。
「でも、美鈴は俺の彼女ですから。
俺が誰よりも美鈴を応援してますよ。
長曽我部さんが悔しがるくらいに。」
「はは、むかつくな。」