居場所をください。



「なぁ、貴也。」


「なんですか?」


「今美鈴は恋の歌を作ってる。

もちろん、貴也を想ってな。

夏に発売される。

そのMV、相手役やらねーか?」


「……………断っても、やらせますよね。」


「断るなら他の男にやらせる。」


「……………卑怯ですね。わかりました。

俺がやります。」


「助かるわ。

これで美鈴のMVの物語が

現実と繋がるからな。」


「それ、良いんですか?」


「あくまで美鈴の気持ちだ。

バレても全く問題ない。」


「まぁ確かに。」


「キスシーンもいれるから。」


「断って他の男に回されるなら

俺がやるしかないじゃないですか。」


「そうしてくれると助かる。」


「わかりました。」


「よし。

スケジュールはこっちが勝手に組むから。」


「また休みもお願いします。」


「まぁできたらな。

無理なら諦めろよ。」


「はい。」



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