居場所をください。
「お邪魔します。」
私が言うとお兄さんは高橋から
私へと視線を移した。
うん、やっぱりかっこいい。
さすが夏音のお兄さんだ。
「…もしかして歌手の美鈴ちゃん?」
「え?あ、はい。」
「やっぱり!え、夏音の友達なの!?」
「え、はい。まぁ…。」
「うわー、本物かぁ。
夏音のやつ言わないから全然知らなかった。
美鈴ちゃんの出てる番組全部録画してるから
てっきりファンなのかと思ってたのに。」
「え、そうなんですか?」
「俺の彼女、美鈴ちゃんのファンなんだよね。
まぁ影響されて俺も実はファンやってるけど。
彼女と夏音、よく美鈴ちゃんの話で盛り上がってるよ。
夏音が美鈴ちゃんの友達だって知ったら
彼女、驚くだろうな。」
「…ありがとうございます。
私なんかに。」
「ね、あとで写真とっていい?」
「あー、写真だめなんです。
事務所から禁止されてて…。
でもブログに載せても大丈夫でしたら
私のスマホでなら写メ大丈夫です。」
「ほんとに?
そっちの方が全然嬉しい。」
「じゃあ後でみんなで撮りましょう。」