居場所をください。



「…なんで?」


「わからないけど…。

俺の予想だと、自分が彼女だって

世の中に示したいんじゃない?」


「でも…そんなことしたら

愛翔くんが困るってわかるじゃん…。」


「俺の見た感じだと

別に好きじゃないんだよ。

そこまでして手に入れたいだけ。


なんでかはわからないけど。


本気で好きならそんなことしない。

俺だって咲との関係隠してるし

貴也だって、ずっと隠れて

美鈴ちゃんと会ってきたわけでしょ?


それが普通だよ。


でもあの子はマスコミに彼女だってアピールしてる。

彼女ポジションがほしいだけなんだよ。」


「そんな…。」


「なんでそんなことするんだろうね。」


なんで、か…。


「…もしかして、私のせい?」


「え?なんで美鈴ちゃん?」


「あの子、私と同じ施設の子なの。

しかも同室だった。

私が持ってるものはなんでも欲しがる子だった。

友達も、男も。

私が好きじゃなくても、

相手が私に好意を寄せるだけで

私の悪口を言うの。

私の好きな人も藍子にとられたことあるの。

私のことがとにかく嫌だったみたいで

私を落とすためならなんでもする子だった。

私が施設育ちだと公表したのも藍子。

結局長曽我部さんが脅して終わったんだけど…。」


「なるほどね。

美鈴ちゃんに憧れてるってわけか。」


「でもなんで愛翔くんなんだろ。」


「事務所が違えば長曽我部さんは手出ししないからな。」


「え?」



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