人と人形
「ってことはあなたはあの島の住人だね。わしはサム・グリーソン。冒険家をやっているんだ。」
と言って手を差し伸べた。
「余計なお世話じゃ、手を引け。我らには人形様がつい取る。
忠告しとくがさっさとここをさりな。そのほうが身のためじゃ。」
それに対しサムは...
「おいおい、いきなり名乗りもなしに忠告宣言かよ。
まっ、でもわしも手を引かん。そうしてはいかんとは言われては折らんからな。」
「もう、よい。だが忠告はした。後で後悔しても知らんぞ。」
(俺だったら手を引くよ。そんな物騒なもん知るかよ......)
と一人思いながら二人を見ていた。花さえ手に入れば俺には関係ない。
そこへ、この船に乗ったもう一人が現れた。
「何だよ。長老さん。客人を怖がらせてはいけないよ。歓迎しなきゃ。」
「そんなもんしらん。あいにく、わいには存在せんのじゃ。」といっておばあちゃんは離れた。
「えっと、君も島の住人かね。わしはサム・グリーソン。よろしく。」
「いや僕はあの島の住人ではないよ。でも母の故郷で、あの島では何度かお世話になっているものだ。アーロン・マグネス。こちらこそよろしく、サムさん。」
「君もよろしく。」
「あっアル・バーネスです。よろしく...お願いします。」
アーロンといったこの人はとても美男で見るからに貴族のような格好をしていた。