人と人形
その後、しばらくして船は島に着いた。
この島は人口三千人ちょいの小さな島で山がひとつあってそれを町が囲んでいるようなところだ。ここから遠いけど山のてっぺんには屋敷が見えた。
荷物を降ろしていると周りがギャーギャーうるさいなと思ってみてみたら、あのアーロンを女たちが囲んでいた。
そういえばここの人たちは意外と美男美女ぞろいだと、ふと思った。まあ、でもどうでもいい。目的さえ果たせれば。
「あっあの、すみませんっ。」
そういわれて後ろを向くとある少女が立っていた。その少女カトリーナで泊まるところを案内してくれるという。
そういわれてほかの二人にも伝え、カトリーナについていった。
彼女も普通にかわいい子だ。
髪色はちょっぴり濃いブラウンで肩くらいまでのショートヘア、
服はメイド服を着ていた。
それで、アーロンはというとカトリーナを口説いていた...。
(やっぱりそういう人だったんだ...。)と一人思っていた。
カトリーナは少し困った様子でなぜか一瞬こっちを見た。
一方、サムは周りを見回していた。確かにここは自然がとても豊かだ。
するとサムは顔を近づかせて耳元で言った。
「なあ坊主、さっき見ただろあの山の頂上にあった屋敷!あれ怪しいと思わないか?」
この人俺が協力すると思ってないか...。
まあいい。協力はごめんだけど返事はしておこう。
「いいえ、僕には見えませんでしたけど。」
「なーんだ、そうだったか。」