ヒミツの関係

気付いたこと

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 気が付くとまだ外は薄暗くて、部屋の中は真っ暗だった。
 
 目が慣れてるせいか暗くても部屋の中が見渡せて、少し顔を上げれば霞の寝顔を認めることができた。

 いまだに強く絡みつく腕。

 驚く事に一晩中続いたと思われる霞の香水の香り。

 あたしは霞が寝てるせいか、一晩中この体制でいたせいか、それ程心臓が暴れなかった。

 目の前のきれいな顔に、そっと手を伸ばして触れてみる。

 無意識に、霞の顔に自ら寄せる唇。

 あたしは当然のように、霞の頬にキスしていた。

 
 音も立てず、ただ触れるだけのキス。

 自分の無意識の行動に呆然としてしまう。

 突然襲ってきた気恥ずかしさに、あたしは急いでベッドから出ようともがいた。

 …だけど


 「出れない!!」


 霞の腕が巻きついてて出れない!!
 
 霞の寝顔は見ていたいけど、起きた霞と顔を合わせるのは恥ずかしい!



 そんな考えであたしは更にそこから出ようともがいた。

 すると…まあ、当然だけど霞が起きて…


 「…お前…暴れすぎ。」
 
 「痛い!!」


 デコピンをくらいました。


  
 ちょっとぉ!
 本気で痛いんだけど!!



 あたしは涙目で霞を睨みつけると、反撃を開始した。


 「だって、霞が離してくれないんじゃん!!」

 「はぁ?」

 「あたしが出ようとしたら霞の腕が離れないんだもん!!」

 「…は?
 マジで?」

 
 霞の言葉に大きく頷く。

 
 「…それは…悪かったな…」


 素直に謝ってくれる霞。

 いつもより声が低く感じる。

 

 なんか霞がそんなんじゃ、こっちも調子くるっちゃうよ。



 「ううん…
 部屋、戻るね。」

 「おう。」

 
 あたしは霞の腕を抜けて、ベッドから降りた。


 「じゃあね。」

 「遅れんなよ。」

 
 ベッドで上半身を起こした霞が微笑みながら言う。

 
 「そっちこそ。」

 
 あたしも笑って返して、静かにドアを閉めた。






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