未来が見えない『Previously invisible』
✜✜ 冷静に
由依は、冷静に冷静に‥‥‥
唱えながら、渡瀬総合病院へと
向かった。
病室の前につくと
面会謝絶になっていたが
< コンコン >
‥中に‥入ると
ベットの上に
琴音と判別が出来ない人が寝ていた。
かろうじて、漆黒の黒髪でわかる。
手も足も固定され
かなりの量の点滴に繋がれ
鼻には·····酸素が繋がれ······
私は、身体中が震えて
そこに座り込んでしまい
たっくんに助けられ
ソファに座らされた。
「‥‥‥ねぇ、たっくん?
いつから・・いつから・・琴音は、
こんな思いをしていたの?
大悟さんと幸せな結婚したんじゃないの?」
「何もなかったのは、
最初の二、三ヶ月だけです。
あいつは、姉さんの事を
好きでもなんでもなくて
親同士が仲が良く、親に言われて
仕方なく結婚したんです。
奴は、気の小さい男で結婚したくないと
言えなかったみたいです。
姉さんは、この結婚を
あんなに嫌がっていたのに。
初めの内は、見えない所を
殴っていたみたいです‥‥‥‥
姉さんは、何度も逃げだして
両親にも訴えたんです。
だが、あいつが自分の親に泣きついて
自分の無実を切々と
泣きながら訴えて······
その度に
俺達の両親に姉さんは連れ戻され
そうなると、ますます酷くなる。
姉は、月紫に被害がいくのを恐れて
俺にも、警察に言わないで
と、頼むんです。
もう、両親には、
何を言っても
無断だと諦めて
だけど、もう許さない。
あいつだけは。」
俺が、話している間中
由依さんは、姉の手を握り
「琴音、痛かったね。苦しかったね
辛かったね。」
って、言いながら手を擦っていた。
「由依さん、頭も陥没してるから
明日、検査なんです。
いつ、意識が、戻るかわからない
この状態ですから、
月紫をお願いしたかったんです。
だけど、さっき院長夫人が、
由依さんばかりでは
大変だから、自分もみるから
と、言ってくれたんです。
迷惑かけて、すみませんが
お願いできませんか?
姉の生き甲斐の月紫は、
姉が、信頼している人にしか
頼みたくないんです。」
と、頭を下げながら伝えると
「たっくん、当たり前だよ。
月紫は、私が責任もって預かる。
院長夫人とは、また、お会いして
話してみるけど、今夜は
私が、琴音につくから
たっくんは、明日に備えて寝て。」
と、言った。
今日は、月紫を院長夫人に
お願いして、匠は仮眠室へ向かった。