未来が見えない『Previously invisible』

✜✜ 何も見てない親


五十嵐夫人は、
「琴音が、入院している間だけでも
月紫の面倒を見させて。
せめてもの償いに。」
と、言ったが

匠は、
「結構。
月紫は、姉さんの生き甲斐なんだ。
あんたらから全てを
取り上げられた、姉さんには、
月紫しかいないんだよ。

そんな月紫を姉さんが
信用してない人に
預けるわけない。
月紫は、しかるべき人達に
預かってもらっている。」
と、苛立つ気持ちを抑えながら言うと

夫人は、
「琴音は、大悟さんと
幸せに暮らしていたじゃない。
最初は、好きな人がいるからと、
結婚を嫌がっていたけど。
と、何を言ってるの」
と、言わんばかりに言う華に

「あんた、それでも、母親か?
秋山のおばさんと仲良しで
自分の子供の言葉より
秋山のおばさんと、二人で
どんどん、話を進めていたじゃないか。

姉さんの表情が、無くなっていたのも
気づかなかっただろ?
姉さんは、あの時
命より大切な人が、いたんだよ。
名前は、聞けなかったが

だけどあいつに····
秋山大悟に脅されたんだよ。
自分と結婚しないと
五十嵐の両親も
姉さんの彼氏も
俺の事も潰すぞって
俺は調べたんだよ
あいつ、ペラペラしゃべっていたから。

姉さんは、思ってもないことを
言って、彼氏と別れたんだよ。
酷い事を言ったと
ずっと、泣いていたんだ。

俺は、その人と逃げるように
何度も言ったんだ。

だが、姉さんは、
彼に迷惑をかけたくない。
彼には、彼の道があるからと
自分が、政治家の娘に
生まれたんだから
仕方ない。
と、言ってたんだ!!

本当に秋山大悟、あいつは最低の
人間なんだよ!!!」
と、言った。

全ての書類が整うと
蓮さんが、
「それでは、秋山夫妻、五十嵐夫妻
お引き取りください。

まあ、マスコミも動いていると
思いますが、あなた方の罪は
軽いものですが、大悟容疑者は、
重い処罰になります。

ただ、匠さんとの
決まり事は、早々に
動いて下さい。
琴音さんには、私を含めて
警察も付きますので
よろしくお願いします。」
と、淡々と言った。
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