未来が見えない『Previously invisible』

✜✜ 樹


俺は、高校の時から
モデルの仕事をしていた。

医者になるつもりで、
勉強もしていたが
両親は、
「樹の好きな道を進んだら良い。」
と、言ってくれた。

一応、大学に進んだ。
真も蓮も同じ大学だ。

俺達が3年になったとき
入学してきたのが琴音。

俺は、一瞬で
心を持っていかれて
何度も、何度も、口説いて
やっと俺のものにした。

真も、琴音の親友の由依ちゃんと
付き合い始めた。

俺は、モデルの仕事で
いつも、一緒にいてやれなくても
蓮や真、由依ちゃんが、琴音のそばに
いてくれていた。

俺が、大学を卒業しても
変わらずに俺達は、
愛しあっていた。

俺は、琴音と結婚するつもりで
いたから、モデルの会社にも
始めから、そう伝えていた。

琴音は、大学を卒業して
ピアノの教室で
ピアノを教えていた。

付き合いだして、5年。
モデルの仕事も落ち着いてきた。

今日は、琴音にプロポーズを
するために呼び出した。

すると・・・琴音から・・・・

「樹、今までありがとう。
私ね、結婚するの。

代議士の息子さんで
彼も代議士なの。
私の父も、代議士だから
代議士同士の方が
良いでしょ。

樹は、仕事頑張ってね。
さよなら。」
と、言って立ち去ろうとした。

「なに、言ってる?
冗談だよな?
琴音、俺は琴音を愛してるんだ。」

「うふふっ、樹こそ
ご冗談を。

私が、モデル風情になびくとでも?
もう、よろしくて。」
と、言って微笑んで
帰っていった。


俺は、その場から
うごけなかった。

俺は、それから
蓮と真を呼び出し
浴びるように飲んで
飲んで、仕事にも穴をあけて
荒れまくり‥‥
蓮に殴られた。

そして、海外に修行に行け!
と、追い出された。

そんな、蓮から
たまには、日本に帰って来ないかと
連絡があり今日帰国した。
しばらく、日本の仕事をする。

今日は、久しぶりに
両親に会うために
家に帰った。
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