未来が見えない『Previously invisible』
✜✜ 思うように
「明日、院長と由依さん、蓮さんに
相談して、姉にどう説明するか
決めます。
もう一度、脳の検査も
あるでしょうから。
今日は、姉には、
寝てもらいます。」
と、俺が言うと。
「わかった。
少し、びっくりしたが
俺は、琴音の思うように
させてあげたい。
あいつは‥‥もう‥‥幸せに
なっていいだろう?」
「ですが、樹さんには、
樹さんの人生があります。
姉の事に巻き込みたくないんです。
月紫もいるし。」
「匠君。
月紫の気持ちも大切に
してあげたいが、
月紫の名前は、琴音が
言った通りなんだ。
あの約束を守ってくれていると
言うことは、琴音の中に
ずっと俺がいた、と思っても
いいだろ?
俺は、琴音を忘れたことはない。
あの時は、自暴自棄になったが
いつまでも変わらず
俺の心を閉めていたんだ
俺は、琴音を愛してる。
前回、話を聞いたときは
戸惑いがあったのは事実だが・・
だが、どう考えても
やはり、琴音に行きつく
なら、琴音のそばにいようと思い、
海外の仕事を片付けてきた。」
「本当に良いのですか?
俺も、樹さんとなら
と、思っていましたが
あの時、話してから
あなたは、姿を見せなくて
やはり、無理なんだと
もう、誰も巻き込みたくないと
思ったんです。
でも、あなたと・・樹さんといる
姉をもっとみたい。
いつか、記憶が
戻るかもしれません。
そのときは、俺も
助けます、支えになりますから
よろしくお願いします。」
と、言って病室に戻ると
琴音は寝ていた。
樹さんは、姉のおでこに
キスをして帰った。