未来が見えない『Previously invisible』

✜✜ 匠



救急車が到着するのと
俺が姉の家に着くのが同時になり
「月紫、ついたから
いったん、電話切るね。」
と、言って家に入った。

救急隊員も俺も
姉の状態を見て
息が・・・とまった。

あまりの·····酷さに‥‥‥

姉は、ストレッチャに乗せられ
救急車に運ばれた。

月紫の顔も腫れていたから
湿布をはり
渡瀬総合病院へと向かった。

病院に連絡して
院長先生と外科の金井先生に
待機してもらう。

病院に着くと
不安がる月紫を
院長夫人に任せて
(院長が奥様を呼んでくれていたようだ。)

俺も立ち会う
姉の体は、ボロボロで
雑巾のようだった。

骨折後も、一ヶ所、二ヶ所でなく
今も、肋骨も数本折れていて
内蔵も破裂している。

頭も陥没している箇所もある
足と腕もひびがはいり
折れている箇所もあった。

あまりにも酷い姉の状態に
俺は涙が出た。

気づいていながら
姉に頼まれたからと
隠していた結果が
この様だ。

院長先生は、
「五十嵐先生、これはDVだよ。
警察に連絡をしないといけない。
連絡していいですか?」

「はい、院長先生
連絡は、義務ですし
もう、このまま
黙って、見過ごすことは
できません。」
と、言った。

「うん、わかった。
詳しくは、また、聞かせてもらう
お姉さんの詳しい検査は
明日になるが、
特別室に入ってもらい
面会謝絶にする。

私と君と主治医以外は、
何びとも通さないようにするから。」
と、言ってくれた。
「ありがとうございます。
よろしく、お願いします。」
と、言った。
< 5 / 96 >

この作品をシェア

pagetop