未来が見えない『Previously invisible』
「もう、先生は!
ピアノの練習は、ちゃんとやりますって。」
と、言うと
みんな、大笑いしていた。

「なぁ、琴音の旦那よ
わしの、ピアノに琴音を
手伝わせて良いか?
こいつは、ピアノ教室で
終わるような腕では
ないんじゃ。
どうかの?」
と、言うと
「琴音の思うように
してもらえば、と思います。」
と、樹。

「大丈夫?パパ。
パパは、ヤキモチ焼きだし
心配症だから、
こっちが、心配。」
と、月紫。

琴音は、笑いながら
「先生、ゆっくり子供達の
子育てもして行きたい
その中でも、大丈夫ですか?」
「ああ、お前のことじゃ
そういうと、思っておった。
欲がないから、お前のピアノは、
音色が綺麗なんだ。
ゆっくり子育てしながら、
やれば、良い。」
と、言った。

本当の両親より、
お互いをわかりあっている
のでは、と、樹は思った。

「うふふっ、では、仰せのままに。」
と、琴音。

私達家族と泉先生は、
楽しく話ながら
先生のピアノを聞いたり
私が弾いたり
皆で料理をして
皆で食べて
楽しいひとときを
過ごして帰宅した。

先生には、
「いつでも
ご連絡ください」
と、話してから帰った。


本当に、楽しくて、充実していた。

樹は、琴音の真面目なピアノを
初めてきいて驚いていた。
泉先生に任せてみようと
思った。

琴音も楽しそうにしていたから‥‥
琴音の思うように
させてやりたい。
そう、思っていた。
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