私の途絶えた記憶の中で
記憶
私と爽真は、ソガミ川の土手に座っていた。
ふと腕時計を見た。
4時37分。もうすぐ日も暮れる。
「寒くない?」
爽真はそう言って私のことを心配してくれた。
「大丈夫だよ。ありがとう。」
でも、私、爽真のことをどうして知ってるんだろう。
疑問がたくさんあった。
頭がパンクしそうだ。
「爽真…。私たちってどこで出会ったっけ。」
私は思い切って聞いてみた。
「それは、言えない。」
爽真は、やっぱり何かを隠してる。
何を隠してるの?
爽真は、ソガミ川を指さして、こう呟いた。