私の途絶えた記憶の中で

「このソガミ川を見ても、何も思い出さないんだろ?」

「……え」

ソガミ川……。

何かあったっけ。

ううん。何かあったんだ。

ここで、私と爽真は出会ったってこと?

正しい気もするし違う気もする。

「いいよ。無理に思い出さなくて。」

そう言うと爽真は私の手を引き、カサラギ商店街の方へと足を進めた。
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