わたしは元婚約者の弟に恋をしました
翌日の夜にわたしの電話が鳴った。発信者は雄太だ。
わたしは深呼吸をすると、電話を取った。
「どうしてほのかが聖と一緒にいるんだよ」
彼は久しぶりと言葉を交わすと、すぐに話を切り出してきた。
「いや。悪い。急にそんなことを言っても事情が呑み込めないよな。あいつは、苗字は違うけど、俺の弟なんだ」
彼は事情を説明するかのように、苦々しい口調で言葉を漏らした。
冷えていく気持ちを抑えながら、天井を仰いだ。
わたしは具体的に雄太に聖のことを聞いていない。ここで彼の婚約破棄のせいだと言い逃れもできる。
だが、茉優さんのまっすぐな思いに触れた今となっては、それはできなかった。
「やっぱりそうだったんだね。わたしは聖と付き合っているの」
電話口から驚きの声が漏れた。
「やっぽりと気付いていたのか?」
わたしは首を縦に振り、気付いていたと返事をした。
「何を考えているんだよ。知らなかったならともかく、俺の弟と分かっていて付き合うなんて」
「分かっているよ。でも、好きになっちゃったんだもの。あなたが幼馴染を選んだように。わたしだって」
ずるいとは分かっていた。だが、わたしも責められるだけではなく弁解したかったのだ。
決して軽い気持ちで彼と付き合い始めたわけじゃない。わたしだって、悩んだのだ。
この関係は長続きしないし、永遠ではない想いだ、と。
わたしは深呼吸をすると、電話を取った。
「どうしてほのかが聖と一緒にいるんだよ」
彼は久しぶりと言葉を交わすと、すぐに話を切り出してきた。
「いや。悪い。急にそんなことを言っても事情が呑み込めないよな。あいつは、苗字は違うけど、俺の弟なんだ」
彼は事情を説明するかのように、苦々しい口調で言葉を漏らした。
冷えていく気持ちを抑えながら、天井を仰いだ。
わたしは具体的に雄太に聖のことを聞いていない。ここで彼の婚約破棄のせいだと言い逃れもできる。
だが、茉優さんのまっすぐな思いに触れた今となっては、それはできなかった。
「やっぱりそうだったんだね。わたしは聖と付き合っているの」
電話口から驚きの声が漏れた。
「やっぽりと気付いていたのか?」
わたしは首を縦に振り、気付いていたと返事をした。
「何を考えているんだよ。知らなかったならともかく、俺の弟と分かっていて付き合うなんて」
「分かっているよ。でも、好きになっちゃったんだもの。あなたが幼馴染を選んだように。わたしだって」
ずるいとは分かっていた。だが、わたしも責められるだけではなく弁解したかったのだ。
決して軽い気持ちで彼と付き合い始めたわけじゃない。わたしだって、悩んだのだ。
この関係は長続きしないし、永遠ではない想いだ、と。