わたしは元婚約者の弟に恋をしました
そのときはそれを受け入れようとは覚悟していた。それはどうやっても消すことのできない過去の一片なのだから。
願わくば、そのときが一瞬でも長く続いてほしい。
そうしたことを願うくらいは許されるだろう、と。
わたしは唇をそっと噛みしめた。
「今年か、来年、ほのかさんが一区切りついてからでいいから結婚しよう」
わたしはその言葉に驚き、聖を見た。
「今日、兄さんのところに行ったのはそれを話すためだったんだ。もっとも反対されてもそうするつもりだったけど。だから、考えてほしい。兄さんとはそんなに関わることはないといっても、無関係とはいかないし、ほのかさんには辛いことが多いだろうし、返事はすぐにとはいかないけど」
「後悔しないの?」
嬉しいという言葉より、そんな不安感が先にあふれ出してきた。
付き合うとはわけが違う。そのうえ、わたしは婚約破棄をされているのだ。
「ほのかさんとこのまま会わなくなったほうが後悔する気がする。やっぱりほのかさんにこうして傍にいてほしいと思う」
屈託なく笑った彼の言葉に、わたしはそっと唇を噛みしめた。
願わくば、そのときが一瞬でも長く続いてほしい。
そうしたことを願うくらいは許されるだろう、と。
わたしは唇をそっと噛みしめた。
「今年か、来年、ほのかさんが一区切りついてからでいいから結婚しよう」
わたしはその言葉に驚き、聖を見た。
「今日、兄さんのところに行ったのはそれを話すためだったんだ。もっとも反対されてもそうするつもりだったけど。だから、考えてほしい。兄さんとはそんなに関わることはないといっても、無関係とはいかないし、ほのかさんには辛いことが多いだろうし、返事はすぐにとはいかないけど」
「後悔しないの?」
嬉しいという言葉より、そんな不安感が先にあふれ出してきた。
付き合うとはわけが違う。そのうえ、わたしは婚約破棄をされているのだ。
「ほのかさんとこのまま会わなくなったほうが後悔する気がする。やっぱりほのかさんにこうして傍にいてほしいと思う」
屈託なく笑った彼の言葉に、わたしはそっと唇を噛みしめた。