運命の少女と悪魔の少年の学園物語
練習場からでてしばらく歩いたところで藍井くんが止まった。

「藍井くん!もうなんなの!腕が痛いじゃない‼」
「………神鳥さんって馬鹿なの?」
「はぁ?!引っ張って来て馬鹿とは何様?!」
「神鳥さん。」

藍井くんが私の方を見た。その目は真剣で。
「あんなの誰でも言っちゃダメだよ。」
「あんなの?何か言ったかな。」

ハァーと、ため息をつかれた。

ほんとに何か言ったの私?!

「自覚ないとか何なの………」
「ほんとに何か言ったの私?!わからないけど謝る‼とりあえず謝るから!ごめん!ごめんなさいぃぃぃい?!」

不意に身動きがとれなくなった。
私はショートした。(二回目)



藍井くんが私を抱き締めたのだ。



「悪魔とかギャップ王子とかさ、いろんな人に言っちゃダメだよ。勘違いするかもしれないでしょ。」
「あ、あお、藍井くん…」
「僕は構わないけど、あの先輩に言っちゃダメだよ。」

藍井くんが可愛い…!駄々こねる子どもみたい…!

けど…!

「藍井くん…!く、苦しい‼」
「わかるまで離さない。」
「わ、分かったから‼もう言わない‼もう言いません‼」

藍井くんが離してくれた。
苦しかった…

「藍井くんの悪魔…」
「え?何か言ったかな?」

恐い…笑顔が恐いよ?

「時間まだあるけどそろそろ入学式行こう。」
「まだ教室いってないよ。」

う…話そらしたつもりが…

「行こうか。」
「………ハイ。」
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