運命の少女と悪魔の少年の学園物語
心の中でちょっと笑った。だってとても悔しそうな反応したから。

そして思う。




なんか可愛いかも    





って。


「もぉ~、なんておしえてくれないんだよぉ~‼」
「その方がワクワクするでしょ?」

……明らかに悔しそうな反応だな。


学園が見えてきた。神鳥さんはそれを見るとまたもや大きな反応をする。


……素直なやつ。


こんなやつは今までいなかったと思う。
何かしら本当の自分を隠して俺に接してくる女。中には見た目は普通だが、嫉妬深すぎて俺に近寄ってくる他の女をネチネチいじめるやつもいた。

だけどこいつは違う。

素直に驚いて、素直に喜んで。

本気で悔しがったりして。

裏表のないやつだってすぐにわかる。

彼女の一喜一憂する表情を見ると、俺の過去でくすんだ心が綺麗になっていく感覚。


「……よくわかんねぇな…」


小さく呟いた。彼女には聞こえていなかった。

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