欠けている物
1章
 毎日がつまらない。そう思い始めたのはいつからだろう。
 
4月8日、入学式。めでたくこの春から高校生だ。バカどもと同じ生活を送るのは嫌なので、そこそこ有名な自称進学校を選んだつもりだったが、周りは鼻水垂らした餓鬼ばっかりだ。うるさい。黙れ。

貼り出されたクラス名簿を確認し、誰にも関わらずに教室へ進んだ。
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