゚+いじめっ子彼氏といじめられっ子彼女+゚
ったく俺もお人好しだよなぁ~……
何が“泣かされたら戻って来いよ”だよ。
俺が泣かされそうだっつーの!!!!
パラパラと降り出した雨と雨とは違う液体が顔を伝う。
「だっせ……」
壁に寄り掛かって、自分のフラれぶりをゆっくり嘆こうとした時、遠くから悲鳴が聞こえた。
「キャーッ!!!!!」
聞き慣れた声……
「はっっ?!未亜?!」
慌てて未亜の足音が消えた方に向かって走った。
俺…行っていいのか?
走りながら戸惑う。
知らず知らずのうちに、手には携帯を握り締めていた。
「くっそ!!!!」
俺は携帯を開いた。
呼び出した番号は110でもなんでもなく、悠の番号だった。