天才研修医と指導医
始まり
~凜SIDE~
私は上野凜、19歳。
アメリカで医師免許を取得したが、1年前帰国して日本で研修を受けている。
なぜ私がこの歳で医者になったのか話すと長いので後々話す。
これまで小児科、消化器外科などの研修を受けてきた。
技術の面では全く問題はなかったのだが、いちいち指導医に「笑え」といわれ続けていた。
笑っているつもりだったが笑えていなかったようだ。
私は笑うという動作が苦手だ。
これから救命センターの研修が始まる。
救命医に必要なのは技術だけだ。ただ命を救いさえすればいいんだ。
これで「笑え」と言われる必要は無くなる。
私はまだ知らなかった。この考えが間違っていることを思い知らされるなんて…
そして、自分を守るために作った壁をぶち壊す人間が現れるなんて…
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