天才研修医と指導医
転機
寛人「妹、すごくしっかりしてるな。」
凜「あ、はい。ありがとうございます。」
寛人「今日は診察やって。」
凜「え、あ、はい。」
寛人「よし、無理しすぎんなよ?」
凜「はい。ありがとうございます。」
寛人「呼ぶぞ。森さん第一診察室どうぞー。」
森「失礼します。」
凜「今日はどうされましたか?」
森「なんだか…いつもの頭痛と違う気がして…」
凜「どういう風に違いますか?」
森「痛みが尋常じゃないんです…首の方も痛いし…」
凜「突然痛くなりました?痛くなった瞬間を覚えているとか。」
森「あ…確かに…仕事に行こうと家を出た直後です。仕事に行くつもりだったんですけど、耐えられなくて…」
凜「そうですか…森さんのご親戚で脳の病気にかかったことがある方はいらっしゃいますか?」
森「祖父が数年前に脳梗塞になりました。」
凜「そうなんですね。分かりました。気になる症状なので検査をしたいと思います。」
寛人「CTな。」
凜「はい。プルルルルル♪「CT至急お願いします。」」
寛人「まだ検査していないのでなんとも言えませんが、頭の中で出血している可能性があります。」
森「そうなんですか?」
凜「大丈夫です。無理をしないで病院に来られたので良かったです。」
ナース「CT準備できました。」
凜「あ、お願いします。」
森さんはクモ膜下出血だった。最近は若い人にも多い。
手術は無事成功し、障害も残らなかったそうだ。