君色の音と私の恋
自分の些細な不平不満は、拳を振り上げて主張する。
私も含めて、人間なんて結局自己中で駄目な生き物。
さっきまでの幸せも色褪せて、また今日も、ただ時間が経過するのを待つだけの日々が始まる。
電車を降りて学校に向かう途中、同じクラスの女子が私を待ち構えてたみたいに話しかけてきた。
「ちょっといい?」
その声に、背筋がピリッとするような嫌な予感がした。
良いも、悪いも返事していないのに、道路脇の駐車場に連れて行かれた。
「そのストラップ、渡しなさい」
5対1で詰め寄られる。
つるまなきゃ、何もできないバカ女。
心の中で毒づきながらも焦ってる。
「何で?」
平常心を保って出た言葉は、少し震えている。
「は?何でって、図々しい子ね!あんたみたいな地味子に、間瀬くんのストラップなんか似合わないから、渡しなさいって言ってんの!!」
副リーダー格の清香(きよか)が腕組みして私を睨んだ後、夏菜(かな)に振り返った。