君色の音と私の恋
さらさらの茶色い髪、耳には赤いピアスをつけた、脚がとても綺麗な子。
夏菜はクラス全体の女子を束ねるリーダーだった。
「それ返して」
夏菜が私に詰め寄る。口許は笑ってるのに、目は全然笑ってない。
「やだ。返すもなにも、私が間瀬くんから貰ったものだし」
そう言って、スマホを背中の後ろに隠す。
その瞬間、夏菜は目をつり上げて私を睨んだ。
「入学してからずっと間瀬くんを好きだったのは私よ!あんたなんかが間瀬くんの物を持つなんて許さない!」
夏菜の言葉を合図に、彼女たちは一斉に私を力付くで押さえ込んで、スマホを取り上げた。
そして夏菜は猫のストラップを外すと、私のスマホを地面の上に投げつけて力一杯踏みつけた。