君色の音と私の恋
「2度と間瀬君に近づくんじゃないよ!」
捨て台詞を吐いて去って行く夏菜。
清香はペットボトルに入ったコーラを私のスマホにじょぼじょぼとかけた後、隣にいた子の手からもう一本コーラを受け取ると、思いっきり振ったあと、ふたを開けたペットボトルを私に投げつけた。
泡だらけで茶色い液体が全身に降り注ぐ。
顔や髪もべったりと濡れた。
「だせ。ぶーす!」
そんな私に捨て台詞を吐いて、清香と他の3人は夏菜の後を追って消えた。
一人取り残された私は、地面の上に座り込んでスマホを両手で拾い上げた。
床に落ちた衝撃で画面が割れて、コーラでべたべたに濡れて壊れたスマホ。
ポケットからハンカチを出すと、スマホを拭いてブレザーのポケットに入れた。
前髪からぽたって落ちた滴が頬を濡らす。
甘ったるい匂いが鼻について、鼻の奥がツンとなる。
なんか、何もかもどうでもよくなっちゃった。
「帰ろ」
学校に行くのもバカバカしくて、家に戻った。