君色の音と私の恋



あれから2週間。学校には行っていない。



両親は食堂を営んでいて朝から晩までいないから、私がサボってることを知らない。



無断欠席した日、担任から家に電話があった。



「佐藤、今日はどうした?」



「ちょっと具合が悪くて」



そう答えると、



「ゆっくり休めよ」



担任はそう言って、電話を切った。



次の日も、その次の日も担任から電話があったけど、電話のディスプレイに学校の番号が表示されるのを確認すると、居留守を使った。



元々、友達もいないから。ずる休みしても心配する人はいない。



スマホは壊れたまま放置してる。



どうせ掛けてくるのは母親だけ。



それも一か月に一度あるかどうか。



なんかもう何もかもが煩わしくて、何もかもどうでもよくなって、生きてるのか死んでるのか分からない日々を過ごしてた。



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