君色の音と私の恋
人は一人じゃ生きていけない。
なんて陳腐な言葉、バカにして聞き流してた。
他人と交わったって、煩わしいだけ。
良いことなんか何もない。
自分の殻に閉じこもって、一人きりの世界で生きていきたい。
だから誰も私の邪魔をしないで。
頑なに覆っていた心の殻が、壮大な音を立てて崩れてく。
テーブルに置いてあるストラップを手に取って、抱きしめる。
「ありがとう」
思い描くのは、金髪みたいに茶色い髪と、真っすぐな茶色の瞳。
もう一度、間瀬君が私にくれたメッセージを読む。
もう少しだけ、頑張ってみようって思った。