君色の音と私の恋
椅子の背もたれにもたれながら、天井を見上げる間瀬君の横顔を盗み見る。
綺麗な肌と、大きな瞳。特別高くはないけど筋の通った鼻と、意外とセクシーな口元。
こんな綺麗な男の子、他に知らない。
間瀬君に見惚れていると、「そうだ」って言うように私に向かって身を乗り出した。
「佐藤さんの電話番号が知りたいな」
私は躊躇した後、ポケットからスマホを取り出して間瀬君に見せた。
「ごめん、こんなだから教えられない」
割れたスマホを見て眉を歪めた間瀬君は、チラリと夏菜を見る。
夏菜は心配そうな、泣きそうな顔をしていた。
「ふぅー」って何かを決意したみたいに、息を吐いた間瀬君は、
「放課後空いてる?」
私に聞いた。無言で頷くと、
「じゃあ、一緒に携帯ショップに行こう」
間瀬君は、最高のアイデアだと言わんばかりの最高の笑顔を浮かべた。