君色の音と私の恋
高1の春、
教室の後ろで数人の男子がサッカーボールをけって騒いでた。
着崩した制服。茶色い髪。
バカみたいに大きな声で笑ってる。
うるさいな。
大体、そのボール飛んで来たら危ないし。
当たったら痛いって、分かんないのかな?
机の上で本を広げて読みながら、気にしたくなんかないのに、後ろの男子のことが気になって、全然読書に集中できない。
ただでさえ人が多い学校って空間は苦手なのに。
イライラする。
文句のひとつでも言ってやろうか。
そう思って、後ろを振り返った瞬間、
ガンッ
飛んできたサッカーボールが、私の顔面にめり込んでポロリと落ちた。