君色の音と私の恋




学校は相変わらず退屈だけど、そこに間瀬君がいるだけで特別な場所だって思えるようになった。



ずっと2人でいるわけじゃないけど、目が合って、挨拶をして。二言三言会話を交わす。



それだけで嬉しい。



放課後、たまに2人きりで過ごすようになった。



2人って言っても、手を繋いだり、愛を語り合ったりするわけじゃなく。



友達以上、恋人未満。



今の間瀬君との距離が心地よくて、間瀬君も私と同じように感じているのか、互いに今の距離を縮めようとはしなかった。







ある日、2人でCDショップに行った帰り、



「カレーが食いてー!」



突然、間瀬君が言った。



昨夜、テレビ番組でカレー特集を視てから、ずっと食べたいと思ってたらしい。



「食べに行く?」



どうせ今日も親は仕事。家に帰ってもカップラーメンか、良くてコンビニのお弁当。



私の言葉に、目をキラキラさせて頷く間瀬君。



そして入ったカレー屋で、間瀬君は辛口カレーを頼んだ。




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