君色の音と私の恋
間瀬君が将来、どんな形かはわからないけど音楽の仕事をするっていうなら、彼の髪は私が綺麗にセットしたい。
心の奥にある、一番伝えたい言葉は隠したまま告げと、間瀬君は照れ笑いを浮かべながら私に言った。
「だったら将来、俺専属のヘアメイクさんになってくれる?」
2人の想いが1つに重なる。
間瀬君がくれた、言葉があれば、
私は一生頑張れる。
「私、絶対に夢をかなえる」
「俺も、この先、どんなに辛いことがあっても諦めない。約束だよ、佐藤さん」
「うん。約束」
15年間生きていて、初めて見えた希望の光。
間瀬君が私にくれた大切なもの。また一つ増えたよ。
テーブルの上に置いていた、スマホを手に取る。
そこにつけたビジューのストラップに指で触れると、間瀬君が目を細めて優しい顔をした。