君色の音と私の恋



『夜中にごめん。わたし、福岡に転校する』



泣きつかれたお母さんが眠った後、間瀬君にメールした。



返事は来ない。



こんな時間、もう寝てるよね。



スマホに付けたビジューのストラップを指ではじく。



「もう会えないのかな?」



しゃらしゃらと音を立てて揺れるストラップ。



「間瀬君の歌。聴きたかったな」



その日は間瀬君がくれたCDを聞きながら眠りについた。






間瀬君にメールした次の日も、その次の日も、間瀬君は学校に来なくて。



もう一生会えないのかな?



なんて思っていたら、転校する日の前日に、間瀬君は学校に来た。



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