君色の音と私の恋



「そっか……」



しゅんとして目を伏せた彼の仕草に、気持ちが揺らいで優しい言葉をかけそうになる。



色素の薄い瞳を揺らして少し考えた後、彼は自分のスマホに付いていたストラップを外して、私に渡した。



「ボールぶつけたお詫び。受け取って?」



恐る恐る差し出されたそれに、吸い寄せられるように手を伸ばして受け取ると、彼はホッとしたように頬の筋肉を緩めた。



床に転げたサッカーボールを拾い上げて、



「おい、外でやろうぜ」



一緒に騒いでた男子にそう言うと、彼はもう一度私に振り返ってペコッて頭を下げて出て行った。



窓から差し込む太陽の光に、彼のシルエットが浮かび上がって、綺麗だなって思った。




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